expert, specialist, professional のちがい「専門家」の定義
テレビのコメンテーターに呼ばれる「スペシャリスト」や「エキスパート」は、それぞれ意味が違うの?と疑問に思ったことがありませんか?
実は、日本語ではあまり意識しないで使っていますが、欧米では定義があります。
本記事をご一読いただけたら、それらの使い分けをはっきりさせることができます。
☆注意☆広辞苑と英英辞典ではスペシャリストとエキスパートの解釈が少し違っています。
本記事はロングマン英英辞典の解釈と同じです。
expert, specialist, professional 意味の違い
- プロフェッショナル professional
- エキスパート expert
- スペシャリスト specialist
professional プロフェッショナル
日本語で「プロ」とも略されて呼ばれています。 専門職という意味です。 ある分野に精通し、技術も持ち合わせており、さらにこの専門を職業としているという、「公に認められる明確な基準がある」ことがprofessional の条件です。
- 医療のプロフェッショナル(医師)a medical professional
- 法律のプロフェッショナル(弁護士) a legal professional
expert エキスパート
expert/ someone who has a special skill or special knowledge of a subject, gained as a result of training or experience
筆者訳:特定の技術や知識を身に着けており、訓練や経験によって実績を得ている人
ロングマン現代英英辞典
日本語にするなら「専門家」がぴったりだと思います。 「実績」「経験」があることが expert の定義です。
- expert advice 専門家の助言
- an expert historian 歴史の専門家
- an expert in economics 経済学の専門家
✅「~が得意である」を大げさに表現するために、good at~ の代わりにexpert at~を使うことがあります。
- You are a expert at cooking.あなたは料理が上手ですね
- I am not expert at calculating. 私は計算が得意でない
specialist スペシャリスト
specialist/someone who knows a lot about a particular subject, or is very skilled at it
筆者訳:特定の分野について熟知している人、またはその技術が優れている人
ロングマン現代英英辞典
special が語源の specialist の意味は、日本語にするなら「熟知者」というべきですが、specialist とは分けていないため、日本語では「専門家」と訳されています。
specialistは、「知識の領域での専門家」にとどまります。
specialist が経験を積んでいくことにより、expert になるわけですが、その転換は世間的な評価や必要性によってなので、どこからどこまでがspecialistで ここからがexpertだというような、具体的な基準はあいまいです。
基準がグレーなので「自称スペシャリスト」や、「自称エキスパート」という人間も存在します。
またグレーだけに、「彼はスペシャリストではなくエキスパートではないのか」といったような指摘も難しいかと思います。
専門医としての specialist は例外
耳鼻科医師は、「耳鼻咽喉のspecialist 」と言うのはなぜか。
expertじゃあないのか?という疑問がわきますが、specialist は「専門医」としての「お決まり表現」です。
「医者という職業の人々の中においての、耳鼻咽喉について熟知している者」とすれば納得がいきますね。
- a specialist in philosophy 哲学の専門家
- a beauty specialist 美顔術師
- a specialist in the study of nutrition 栄養学の専門家
- a specialist in care for the feet 足の治療の専門家
expert, specialist, professional 使い分け【まとめ】
人口で比較すると…
professional < expert < specialist