羽生結弦 苦手からペラペラへ 留学でのストイックな英語勉強法
羽生結弦選手は、英語力の高さはよく話題になります。
英語講師の筆者が羽生選手の英語力はどのくらいなのかを、英語スピーチ等を通して分析いたしました。
実は、羽生選手のスピーチを分析すればするほど、彼がアスリートとしてだけでなく、人間としての魅力にあふれた方であるかがわかってまいりました。
英語のスキルだけにとどまらず、語られる内容の深さと濃さに、唸ってしまいます。
ここまで英語が上手になるまで、羽生さんは、一体どんな勉強法をされてきたのでしょう。
さらに英会話でのマナーや言葉選びのセンスの良さや紳士であることは、おそらく羽生選手ご自身で勉強されてきた賜物なのでしょう。
羽生結弦 苦手からペラペラへ 英語勉強法
もくじ
- 羽生結弦の記者会見の英語
- 羽生結弦の英語スピーチ Most Valuable Skater 賞
- 羽生結弦の英語勉強法
羽生結弦 英語の記者会見の英語
試合後の記者会見の羽生選手です。
女子で優勝したロシアのアレクサンドラ・トゥルソワ選手やその他の4回転やトリプルアクセルを跳ぶ女子選手たちの分析を語っています。
- They inspired me.
これは僕にとって本当に励みになります。
inspired は感動するという意味で使いますが、ここでは「励みになる」が最適の役だと思います。inspired は イチロー選手も英語のスピーチで使っていましたが、よく使われる謙虚な表現です。
- I want to study their way, and I want to learn from them.
僕は彼女を研究したい、そしてたちから学びたいのです
羽生選手は記者会見で、you know とよく使っていますが、これは「~ですね」という意味の口語です。
自然にこれが出てくるほど、羽生選手には英語がしみ込んでいるのです。
羽生結弦の英語スピーチ Most Valuable Skater 賞
羽生結弦2020年のMost Valuable Skater 賞に選ばれたときの映像です。
候補者として最初に紹介されます。
まずご自分の意見を述べる前に、「言わせていただきますが、」と前置きして、候補者に上がったことのお礼と、ほかの候補者へおめでとうの言葉をきちんと述べています。
なんという礼儀正しさでしょう。
半分あたりから「プレッシャーのきつさ」について語っています。
- This pressure actually make me stronger.
そのプレッシャーが私をより強くします。
ちょっと照れ笑いをされておっしゃってますね。ご自分の言葉で話している証拠です。
- What I always try to do is responding to their expectations
私がいつも努力していることは、120%レベルで皆さんの期待に応えるつもりでいるところです。
単語の発音も耳から覚えており、たとえば importantn発音は、日本人は学校で習ったように「インポータント」と発音しますが、羽生さんは、「インポーラント」とネイティブ的に発音しています。
「文章はカンペがあり、それを読んでいるんじゃないか」
という方もいますが、おそらくメモ程度のものがあるだけでしょう。筆者にはカンペを読んでいるようには見えません。
羽生さんは、ご自分の言葉で英語をお話されているだろうと思います。
その根拠は、文法をちょっと間違えたりする部分もあり完璧ではないところ。
そして、言葉を選んでいる「間」があり、言葉を言い換えながら話しているからです。
たとえば、書いたものを読んでいるだけですと、
What I always try to do is というような個所で、あのように「かたまり」で読むことができません。
羽生さんは、この「長い主語」を主語と意識して言っていることは明らかです。
締めくくりに、ほかの候補者たちの方向に向いて拍手を送る羽生選手。
礼儀正しさとリスペクトを兼ね備える、人間的にも一流の羽生結弦さんです。
羽生結弦 英語勉強法
羽生結弦選手は、中学・高校とかなり優秀な成績だったようです。
早稲田大学の人間科学部通信教育課程を7年半かけて卒業されていますので、まじめにやっていたことがわかります。
早稲田大学の西村教授も羽生選手を「抑えめの課題を出しても3倍はやる」と褒めています。卒論も普通の生徒の2倍の量、3万字だったそうです。
努力の方なのですね。
英語は基礎があったからこそ、インタビューやスピーチであのようなきちんとした英語が自分の言葉で語れるまでに上達できたのだと思います。
羽生結弦選手は2012年の高校3年生の時にオーサーコーチに師事するため、カナダのトロントに移り住みます。
そして、高校3年はカナダの高校で過ごします。
ご本人が「英語は苦手」と公言していましたが、思春期での英語圏への移住は想像以上に苦労があったと思います。
オーサーコーチもインタビューで、「初めの1年は、Yuzuruと自分はお互いを知ることに費やした」とおっしゃっていました。
たいていアスリートが海外に在住になると、通訳の方がつくことが多いのです。通訳がいつもつくことで頼ってしまい、英語は上達するチャンスを逃すものです。
羽生選手は、現地の英会話教室へも自ら通っていたといいます。
ご自分に厳しく英語学習に努力したのですね。
羽生結弦 苦手からペラペラへ 英語勉強法【まとめ】
✔You have never let your fan down.
あなたは決してファンをがっかりさせたことはありません。
司会者がインタビューの締めくくりで羽生さんへ向けた言葉です。
羽入さんは常に他をリスペクトし、気遣いのジェントルマンであった。この人間性が英語力を伴ったのではないでしょうか。